読書感想文:XP再入門 (WEB+DB PRESS Vol.72) 第一章

感想書く気持ち

XP再入門、最近おともだちと読書会をしています。
読書会を始める前に[価値/原則/プラクティス]のあたりの読みあわせを行ったのですが、タイトルの抜粋だと内容がわからないものが多く(特に第2版)、実際に読み比べながら進めたほうが楽しそうだということでXP初版と第2版をAmazonで購入しました! まだほとんど読んでいないのですが。
読書会は今のところ2回開催して、私は1回だけ参加しました。ゆるーく思うところを語れて良い感じがしています。
ですが、私は参加していて、自分の体験とリンクさせて考え込んでいることが多く、気付きとか意見交換よりもふりかえりの気持ちの方が大きくなっていました。人が話している時に考え込んでいて会話が抜け落ちてることが多いし、読書会するより1人で読んだ方が良いのかも…?
…と思ったので一度、1人で考えながら通して読んでみることにしました。

感想とか

XPが初版と第2版で全然違うときいて

XPは初版と第2版で対象者層に変化があるように思えました。開発チームからプロジェクトへ という印象で、内容も追加があってだいぶ変わっているように見えたので、なぜ「XP」という名前で改版したのかを疑問に思っていました。初版のXPを内包するものであってもそれは別物なのではないかと思ったのです。
ざっと第1章を読み終えたあとにXPの初版と第2版の序文を読んだのですが、紹介されている第2版の序文 "XP自体にXPのパラダイムをあてはめた" というのに第2版で出会った時に、わぁっと思うものがありました。XP再入門で読んだ時はなんだか気になるくらいだったのが、前後の序文を読むとわぁっとなります。ココすきー! 初版のXPを自分たちの開発で用いてみて、フィードバックを得て、初版のものを変化させる必要があると思ったから第2版としたのだと解釈しました。
それと、第2版の価値に「尊重」が増えている所から、初版で大きく足りなかったことがそれなのかなと推測しました。「意識高い開発チームとレベル低い周りの奴ら」とか「1人一所懸命に頑張る管理者の俺とお喋りばかりする開発の奴ら」とかそういう感じになったのかな、とか。ありそう。想像が後ろ向き!

到達したいところ

足りなかった記憶

最近、思うところあってまとめていたことがあります。XPの話ではなく、今までアジャイル札幌の勉強会とか研修とか本を読んだりとかしたのと、自分が関わったプロジェクトをあわせて感じたことです。
背景:受託開発で上下関係や担当分野の違いによりチーム内でも距離がある感じ

開発者(作業者)だけで変えられる範囲で行うアジャイル開発は見通しの良さとか楽しさが得られても顧客に届く価値は変えられない。たとえばこまかくフィードバックを得るためにリリースやミーティングの回数を増やすとか、計画を必要なところから立てていくとか、そういう顧客とチームの両方の責任の持ち方や作業時間が変化するようなことは、お金が絡むのでお金の話をする権利がある人の理解が必要。

開発チームだけで変えられないってことは無いと思う(チームの形によっても違うと思う)けど、「変えられない」と断定調で書いたのは、私自身がなるべく広範囲の人と同調しないと目標に到達できなさそうだと感じたからです。
開発チームだけで同じ認識を持つのと、開発に関わるすべての人で同じ認識を持つのでは、実現できるものと実現可能性が違ってくるのかなと思っています。

顧客の価値というもの

勉強会や研修に参加して「最初は自分たちの出来る範囲で変えていく」というのを学びました。
色々とやり方も知って、自分ができることをやっていこうと思っていたのと同時に、私は「出来る範囲で変えられることだけが目的でも良いや」と思っていたのですね。
多分、いままではお客さんとの距離が遠かったし、成果品に対する責任もあまり感じていなかったから。開発(作業/成果)の質を上げることしか考えていなかったし、届ける価値=開発の質 だと思っていました。

最近はお客さんと直接話す機会があったり、自分で考えられる幅が広いお仕事との出会いが多くて、「自分たちのできる範囲で変えられればいいや」だけではお客さんに届かないように感じています。それは直接見えづらいところが多いから届く価値にはなりにくい、というか、開発の質って高くてあたりまえなのかも…プロに頼んでいるわけだし…。
お客さんにとって必要なのはソフトウェアじゃなくて、その先の世界で何かが変わることなんですよね。なんか書いてて思ったけど、届けるっていうの違う気がする。一緒に到達するという感じかなぁ。あっ ここのタイトルに書いてる!(私すごい)

ここから考えると、今までは初版で満足していたけど今は第2版が必要 みたいな感じ(てきとう)。初版と第2版は到達点が違うんじゃないだろうかと思っています。開発品質と顧客の価値、みたいなもの。まだ読んでないので推測なんですけど!

XP自体にXPのパラダイムをあてはめたのにわぁっとなったこと

「XP自体にXPのパラダイムをあてはめた」 というので わぁっ となったのは、それが改善であることを示しているからかと思いました。到達できていないものをみつけて悶々としていた私には、ルールを自分自身に当てはめるのがとても良いものに思えたのです! たぶん!

Kaizen mind~

著者の規世さんのチームの「プラクティスを常に評価する機構」(といった感じの問い) が自然な雰囲気で出るところ、素敵だと思いました! ネガティブな要素をネガティブなままに伝えられる雰囲気が良い。めんどくさいとか意味がないとか、そういうこと。

ネガティブなままに伝えられないところの記憶

時に、過剰(≒不要)な努力でも美徳とするような環境に身をおくこともあります。そういう場所でめんどくさかったり手間に感じる気持ちを伝えると、怠慢だと一蹴されてしまうことが多いです。だからなんでこの作業やるんだっけみたいなのを1人で考えて、これこれこういう理由でこれはやめるべき みたいなのを無理矢理つくるんだけど、違うの、めんどくさいの。それで曲がった理由と目的は曲がった解決案を呼んでしまってめんどくささは解消できない、みたいなの、ありました。

ネガティブなままに伝えられるところの記憶

あるチームでは、毎週KPTでふりかえりを行なっていました。わたしはふりかえりが初めてだし、先ほど記載したような環境をいくつか経験したために、Problemを出すことを警戒して躊躇していました。
でもそのチームのふりかえりがおもしろくて、呑んだ時に終電を逃さないとか、早く帰るだとか、どんな内容でも出して良いという雰囲気を上手く作ってくれていて、すぐに馴染んだ覚えがあります。(馴染みすぎてたまに叱られた)
振り返りの時に「何がやりづらい」だとか「つらい」だとか気持ちに関わる部分を話せると、それをやめるのか、良くするのか、我慢してやらなきゃいけないのかということを話せます。本当のことを話しているので、曲がった解決案になることはありません。(解決しないことはあったけど) とても健全で、無駄がないように感じました。

私の好きなチーム

私は前述のチームに入って、チームや仕事への意識ががらっと変わりました。楽しまなくても楽しく働けることがあるんだなと思ったし、朝仕事へ行くのが辛くない働き方もあるんだなぁ、とも思いました。それまで、ものすごく辛かった、というわけでもないんですけどね。
規世さんのチームと、あの時のチームになんとなく似ている所があるように思っていて、それはフィードバックが大事にされているところかなと思いました。最初は「尊重」かと思ったけど、今XP第2版を見て、正しさとか改善とかは「フィードバック」に属す気がしましたし、尊重よりもしっくりきました!
(第2版と初版のフィードバックはちょっと違う? 初版のは頭に入ってこない…)

おわりに

単語

  • 顧客って単語がどうしても好きになれない(使ったけど)
  • お客さんっていうのもなんか違う気がする(使ったけど)
  • 最近、オーナーっていうのがしっくりきてる(使ってないけど)

書いた

満足した!
私のふりかえりを兼ねた読書感想文は私のふりかえりになってしまいます。満足しました。
2章以降はうまくあふれだしたら書くかもしんない